〜バンエンティア号  機関室〜




エドがこの船に入ってからは、かなりの依頼が来た。
何でも直せるということで、破壊された村を復元したり、壊れたつぼを復元したり。
錬金術は、魔法力(TP)というものが一切ないのでいくらでも使えるが、さすがに何度もやっていると
疲れるようだ。
そして今日もまた、依頼がエドにやってきた。
「はい。エドワードさん今回の依頼です。」
「え〜。また〜〜?もう疲れたよ船長〜。」
「日付が変わってからの初めての仕事でしょう。さあ早くやってもらいますよ」
「ていうかなんでいつも俺なんだよ」
チャットはあきれたように言った
「あんたにやってもらうほうが一番手っ取り早いからですよ」
エドはついにカチンときた
「ふざけんなあ!!だいたい俺は国家錬金術師だぞ!!!お前のようなガキンチョに命令される筋合いは無い!!」
「カノンノさんの頭がい骨を割ってよく言いますねえ。」
「あいつの傷はもう治したって言ってんだろ!!いいかげん釈放しやがれ!!」
「今回の依頼はジェイドさんとカノンノさんと同行になりますので」
「話聞け!!!つーかカノンノ頭がい骨割れたって言ってたよな!!」
「なんですか。治したんでしょ。」
「鬼!!!!」
エドがチャットに無駄な文句を言い続けていたときに、機関室の扉が開いた。
「こんにちは。船長さん。同行者は見つけられましたか?」
機関室に入ってきた男は、髪型は茶髪で後ろ髪が腰のあたりまで伸びていて、軍服らしきものを着ている。
あと眼鏡をかけていて、ひじより長い濃い青っぽい手袋らしきものをはめている。
雰囲気的には、あの賢者の石の嘘の情報を流し、山賊と戦わせ、
しまいには俺たちに火を放っていた奴に似ていた。
「いえ、今のところ二人しか見つかっていませんが。」
「ねえちょっと待って、もしかしてそれっておれじゃなくてもいいんじゃないの?」
チャットは一瞬エドの顔を見たが、すぐにジェイドの方に顔を向けた
「おい!!聞こえてただ」
「はっはっは。二人だけで十分ですよ。」
見事にエドの言い分が打ち消された。
そのあと、諦めたのかエドは何も言わなかった。
「ところでそのエドワードさんはどこにいるんです?」
その言葉を聞いて、エドは反射的に耳を動かした。
その瞬間に、チャットは険しい表情のエドの居る方向に指を指した。
「あ。居たんですか」
わざとらしく、しらじらしく言ったその言葉は、エドの腹をもっと煮えたぎらせた
「すいません。あなた小さすぎてよくわかりませんでした。」
ジェイドはさわやかに言ったが、その瞬間、雷が落ちたような音と光が放たれた
「だあああああれが顕微鏡で対眼レンズを500倍にまででもしないと見えないくらいのドチビかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
錬成で床を盛り上がらせ、拳の形をした突起をジェイドの顔にめがけたが、
ジェイドは素早く首を動かし、その突起から避けた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!僕の船がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
ジェイドが避けたおかげで、その突起は見事に壁を貫通してしまった。
「さあ。それではいきましょうか。」
船が少しだが破壊されたのにも関わらず、ジェイドは涼しい顔をしながらさっさと機関室から出ようとした
「ちょっとまってください!!!!エドワードさん!この機関室直してもらいますよ!!!」
そう言って振り向いた瞬間、二人の姿はもう無かった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」





〜医務室〜

「ああ。今日もうるさいわね・・・・・・・・。首筋に響くわ・・・・・・・・・」

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